リガチャーの研究おじさん

吹奏楽・クラシック向けにサックス小物をレビューしつつ、自作リガチャーの研究・販売を目指しています。使用楽器:セルマー・旧シリーズ2 GPネック

初心者必見!アルトサックスのおすすめマウスピース

普段はリガチャーのレビューを中心に書いていますが、今回は吹奏楽・クラシック向けでおすすめのマウスピースを紹介していきます。

 

初心者はもちろん、セッティングで悩んでいる人への解決に導く手助けとなれれば幸いと思います。

 

 

基本の考え方

サックスのセッティングは奏者に近い順番に重要と言われています。

つまり、

マウスピース→リード→リガチャー→楽器本体

の順番でセッティングを考えていくと良いということです。

(※発音体でなく共鳴体としても小さいのでリガチャーは楽器より後という考えもあります)

 

 

マウスピース

というわけで最も重要です。

これひとつで音色の7〜8割が決まる、人によっては9割決まるとも言います。

メーカー・モデルによって音色の方向性(音の彩度、得意なジャンルなど)や音の自由度がガラリと変わりますし、楽器・奏者との相性もあります。

 

様々なメーカーが作っていますが、最も選ばれている2大メーカーは

セルマー

バンドレン

の2社です。

その中でもたくさんのモデルがあるので

・初心者でも扱いやすく

・プロも使用している(長く使える)

ものをピックアップします。

 

 

セルマー S90

20年以上販売され続けている超ロングセラー品。

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多彩な音色が出せる非常に汎用性の高い定番マウスピースです。

世界的に人気ですが日本での人気は特に根強く、吹奏楽奏者やクラシック奏者に限らずポップス奏者やジャズ奏者でも、大体誰でもアルト吹いてる人なら1本は持っているor持っていたことあるのではないでしょうか。

須川さんや上野さんもこれですね。

 

オープニング(開き具合)によって種類があり、170か180を選ぶ人が多いです。

両者を比べて

・170は開きが狭く、明るい

・180はより開きが広く、温かみがある

と考えてもらえれば大丈夫です。

 

初心者なら170が吹きやすくてオススメです。のちに170に不満を感じることがあれば、リードの番号を上げたり180を試したりしても良いでしょう。

もちろん、試奏して良かったなら最初から180でも良いです。170にも180にも使用しているプロは多くいます。

(ちなみに僕は長年170を使っていましたが、ごく最近180に乗り換えました)

 

デメリットとして個体差が大きく、音色の暗い170や音色の明るい180があったり(その逆も然り)、最近は減りましたがまともに音が出せないような製品も以前はよくありました。

少なくとも最初の1本はレッスンの先生や経験者に選んでもらうか、都会の楽器屋さんで選定品のマウスピースをいくつか試奏して、一番吹きやすいものを選ぶのがベストと思います。

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セルマー CONCEPT

2013年から発売された流線型の美しい、見た目から何まで新世代的なマウスピースです。

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かなりクラシカルな澄んだ音色なのに「セルマーらしさ」もしっかり音に含まれています。音のまとまりが良く、コントロールもしやすいです。

発売されて以来、S90や後述のAL3から乗り換えた人が多い印象があります。

音をまとめる方向にありながら音色が暗くなり過ぎず、容易にクラシカルな音色が出せます。

S90よりも個体差が非常に小さく感じるので初心者でも選びやすいと思います。

田中靖人さんが以前、ブログで試奏した感想を書かれていましたね。

 

デメリットとしては少しお高いことと、楽器によって相性の合う合わないの差が大きいと感じるところです。

僕はアルト(シリーズ2)だと正直イマイチでしたが、ソプラノ(シリーズ3)では非常に良かったのでずっと使っています。

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バンドレン オプティマムシリーズ

2008年前後にAL3、AL4を発売、世界のマウスピース事情をガラリと変えた革命的なマウスピース。

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2013年にセルマーCONCEPTにぶつける形でAL5が加わりました。

非常に吹きやすく、クラシカルな透き通った音色で音にまとまりがあります。

加工精度が高く個体差も小さいのが良いですね。

 

AL3とAL4とAL5、設計上の細かい違いはありますが、ざっくりオープニング(開き)の違いと考えてください。

可能ならそれぞれ試奏して、最も好ましいモデルを選ぶのが良いかと思いますが、初心者ならAL3が吹きやすく1番オススメです。

松下洋さんがクラシック演奏の際に使用していましたね。

 

デメリットとして、クラシカルに音がまとまる分、音色や音量の変化の自由度は少ないです。

オプティマムを使用して、物足りなさや不自由さを感じるようになるなら他のマウスピースを試すのも良いと思います。

もちろん、透明感のある唯一無二な音色に可能性を感じるなら最高の相棒になります。

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今回初心者向けということでオススメのマウスピースを3種類ご紹介しました。

それぞれサラッとまとめつつ、更にオススメ順を付けるなら以下の通りです。

 

1.オプティマム(AL3)

抜群の安定性、透明感のある音色

 

2.コンセプト

セルマーの響き、程良い音のまとまり

 

3.S90(170)

ド定番、自由で多彩な音色

 

 

いかがでしたでしょうか。

 

さて、マウスピースを選ぶ際は吹きやすいものを選ぶことが肝要です。

「吹きやすい」の定義は人によって異なりますが、少なくとも

「音が出にくく吹くのが大変」

「音が好みじゃない」

といったマウスピースは絶対に選ぶべきではないということです。

 

自分に合った良いマウスピースを使えば練習の効率が何倍にも跳ね上がります。

逆に、合わないマウスピースを無理に使い続けるのは自分の成長を阻害します。

 

多くのサックス吹きの方に音楽人生をより楽しんでもらえる手助けに、少しでもなれたらと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

次回は初心者向けにリードの話を。