リガチャーの研究おじさん

吹奏楽・クラシック向けにサックス小物をレビューしつつ、自作リガチャーの研究・販売を目指しています。使用楽器:セルマー・旧シリーズ2 GPネック

「BG トラディション L10」のレビュー

 

「HARRISON(ハリソン)」と双璧を成すド定番リガチャー

一つネジ逆じめリガチャーの決定版。

「BGのリガチャー」って言ったらパッと思い浮かぶのがコレ。

 

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1986年に設立されたフランスの楽器小物メーカー「BG」の製品です。

 

線対称の形状のリガチャーが多い中、

こちらは形状が点対称でシンプルながら面白みのある美しいデザインです。

 

価格はラッカーでも15,000円あたりと正直お高めの部類。

 

とはいえ、

日本だけでもアマチュアから音大生にプロまで幅広い層の支持があります。

人気はハリソンと二分しているかなー、と言った感じでしょうか。

www.jirihi-3.com

プロの使用者だと松下洋さんが

Cメロサックスに取り付けてる写真がパッと頭に浮かびますね。(僕だけです)

 

 

試奏レビューに入ります。

肝心な音ですが、いわゆるフランス語で「chic」

上品で落ち着いた音色と言えます。

 

あたたかみのある優しい音でもホールの後ろの客席まで届く直進性。

軽めの吹奏感ながら低音から高音までしっかり保ちます。

 

愛用者の多い理由がよく分かります。(過去愛用者)

ハリソンと並び、一度は吹いてみる価値があるリガチャーです。

 

 

 

さて...

おそらく形状的には暗めな音が出しやすい製品と思いますね、一本ネジだし。

 

それを全体の重量を軽くしたり、ネジ側・リード側で重量差付けたり、

肉抜き部を大きく取ったりして、

 音色の明るさを確保してバランスを取っているのかなと推測しています。

 

 

 

さて、気になる点についても書いておきましょう。

 

ここまでベタ褒めしといて何かあるんかい、とツッコミされそうですね。

 

あります、ズバリ経年劣化

 

そもそも金属製のリガチャーは経年劣化が起きやすい面がありますが、

BGはリードに接する箇所が金属の折り目で作られており、

通常使用の範囲内でも締めるたびに少しずつ折り目が伸びてしまうと考えられます。

 

 

僕自身もこのリガチャーが好きで

5年ぐらい愛用しておりましたが、

 

段々と高音が潰れたり

シャーシャーとした息漏れのノイズが聴こえ続けたりと不調が続くようになりました。

 

ちょうど自分にとって楽器を練習できる時間が減った頃だったので

最初こそ自身の奏法か楽器の調整のせいだろうと思っていました。

(実際それもあった)

 

が、

 

新品のBG吹いてみたらすっきり解決しました笑

そう言えばこんな感じだったなーみたいな。

 

高音が潰れて雑味成分に少しずつ置き換わっていたんですね。

 

 

 

ですので、

現在長くBG愛用している方や中古でBG買おうと思う方など、

 

経年劣化についても気にされてみても良いかなと思います。

 

もちろんBGだけでなく、定期的に新品との試奏比べをお勧めします。

(結局僕はリガチャー買い換えました)

 

 

 

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ところで小噺なんですが、BGのリガチャーパッケージ(公式)...

 

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何か違和感無いでしょうか...?笑