「JLVリガチャー」のレビュー
乗り換えるプロも多数、2018年最も話題になったリガチャー。
フランス発、独自機構てんこ盛りの全く新しい設計。
店員さんも間違えてる?
JLVリガチャーの正しい取り付け方の話まで。
設計者であり社長でもある
Jan-Luc Vignaud(ジャン・リュック・ヴィニョオ)さんの頭文字を取って
JLVリガチャー。
非常に独特な形状をしています。(余談ですが僕は初めてコレを見た時、
「フォルテシモ」というリング型のリガチャーが脳裏に浮かびました。)
リードの振動を最大限に引き出す
というコンセプトのもと、
リードやマウスピースとの接点を極力減らした形状になっています。
また、
一般的なリガチャーは真鍮などの金属板にネジ部やリードとの接点部などを溶接で取り付け、マウスピースに沿った丸い形に曲げて作られていますが、
JLVリガチャーは真鍮の一枚板を削り出して製作されているそうです。
(加工時間長そうですね...)
そのため、
・残留応力が少なくリードの振動を妨げない
・加えて個体差のバラつきもない
とのこと。なるほどね...?
独自機構として、
付属のナット掴みを使用することで
マウスピースに合わせてリガチャー径を調節できます。
これは何気に嬉しいですね。
また、
リガチャー本体の上下を入れ替えることが出来るので
左利きの奏者にも対応しています。
気になる価格は
ノーラッカーで24,000円ぐらい、24Kは29,000円ぐらいで
プラチナは42,000円ぐらい...
JLV アルトサックス用リガチャー 24金メッキ 【ラバーマウスピース用】 暖かい鳴り JLVリガチュアー 価格:29,160円 |
試奏レビュー行きましょう。
今回はシルバーと24Kを試奏しましたが、
どちらにも共通して言えるのが息の量から音への交換率が良い
これですね、これ。スッと吹いたらポンと出る。
息のまとまりが良く、かと言ってモフらずに響きがある。
音色にも発音にもクリアさが出せます。
特に低音はタイトな吹き方もできるのでテナー・バリでの恩恵は大きそうですね。
ただし、意識的にまっすぐな息が必要というか
息のガイドラインがまっすぐ引かれてる感覚があり、
この傾向が高音に行くほど強く雑味を減らしていきます。
これが良くも悪くも評価の分かれそうな部分と感じました。
現代的な楽器のセッティングを好む人ほど相性が良いのではないでしょうか?
シルバーと24Kでの違いですが、
シルバーは太さと雑味分が、24Kは華やかさが際立つイメージでした。
他社リガチャーに比べ、めっきの違いがかなり音に大きく関わるように感じます。
(...と思って調べてみたら、どうやら表面のめっきに応じて本体の真鍮の比率を変えているそうです。加工時間すごそう。)
さてさて、気になる点をいくつか。
・キャップ
形状の違いから通常のリガチャーと同じキャップが使えません。
JLV専用のキャップが別売りで8,000円します。
なかなか痛手ですが、
シルバースタインのオムニキャップ(2,000円)が使えるのでJLV使用者はこちらも購入している方が多いようです。
SILVERSTEIN(シルバースタイン)OMNICAP(オムニキャップ) 価格:1,940円 |
・上記の「息のガイドライン」
気になる方は気になると思います。高音ほど音が細くなるような...
聴き手側はそう思わないのかもですが。
レジェールリードを使った感覚に似ていて僕はちょっと苦手でした。
サックスよりクラリネット奏者の方に、
より高く評価されているように見受けられるので何かしら関係があるのかも?
なんとなくですがJLVとマウスピースとの接点にゴムが使われているので、もしかしたらこれが影響しているのか、な...?
それが関係してなくても、今後この部品がオプションとしてエボナイトなどに変更できるようになったら面白いかもしれません。
・値段が高い
正直、これだけ高いと初心者や学生に強くオススメできないですね...
フランス産の拘った作りから妥当な値段とは思いますが。
こんなブログ書いておいてですが、(ほんとに)
初心者や学生はリガチャーの前に、マウスピースの選定と楽器の調整にお金をかけると良いと思います笑
そうしたらスケールとエチュードを揃えて、レッスンに通って...
最初は安いリガチャーで良いのです、壊れてなければ。
リガチャーはエンドコンテンツ(のひとつ)なので。。。
こちらも合わせてどうぞ↓
余談コーナー
特殊な形状しているJLVリガチャーですが、
取り付けも普通のリガチャーと位置が変わります。
こちら↓
楽器屋さんのオンラインショップでも画像で言う
Cの取り付けで商品説明されていたり、店頭でも間違った説明されたり、
そもそも説明されなかったりという事もあるのでお気を付けください〜。